『セカンドモーニング』・・・セカンドモーニング発売時
前置き
初の全国ツアーと福田明日香の卒業を経て、7人がそれぞれひとまわり大きくなった感のあるモーニング娘。がセカンド・アルバム「セカンドモーニング」をリリースした。そして、アルバムの完成に先駆けて、プロデューサーつんくからは99年9月9日のシングル・リリースに向け、メンバーを2名増員する旨も発表された。「8人の時にできることはすべてやった。7人になったのはあくまでひとつの区切りにすぎない」と前号でのリーダー・中澤のセリフだが、まさに流動体である自分自身を、彼女たちは今、どんなふうに受けとめているのだろうか。
−まず、『セカンドモーニング』はどんな作品に仕上がりましたか?
市井「いろんなジャンルの曲に挑戦して、ファースト・アルバムの時にはできなかったこともできるようになってるから、あの頃よりも成長したなと思える1枚になりました。すごく満足のいく出来です。」
保田「とくにコーラスの変化がいちばん大きいんじゃないかな。あと去年と違うのは『せんこう花火』だったら、なっちがメインをとってあとの6人はコーラスというように、曲を歌う時の形態が変わってきたこと。曲によっていろんな見せ方をしているので、飽きずに聴いてもらえるんじゃないかと思います。」
安倍「ファーストの時はファーストの時で、あの時にしかできないことをやったし、今回もそう。自分的にも、聴いてて飽きない自信作になりました。」
矢口「全部の曲を聴いて思ったのは、つんくさんはいつもうちらに高いハードルを用意してくれるなってこと。そのハードルをひとつひとつ乗り越えていくのはすごく楽しい作業です。それに今回は、曲を聴いてここのハモリは誰がやってるというのが全部わかるので、去年は出せなかった一人ひとりの個性がちゃんと出てるんだなと思いました。」
石黒「ファースト・アルバムの時もその時点での実力を出しきったと思うんですけど、やっぱりとにかく必死で歌ってたんです。たとえば遊べるタイプの曲を歌う場合でも、1年前は『一生懸命遊ばなきゃ!』って思いながら遊んでた感じがあった。でも今回の『ダディドゥデドダディ!」という曲では、みんなすごい自然に好きなことを言って遊べるようになっていて、歌に込める気持ちとかも今回のほうが絶対強いと思うし、うちらにとってすごくいいものになったんじゃないかな。」
中澤「自分の曲ってイマイチ客観的に聴けなかったりするんで、私はふだんあまり聴かないんですけど、今回はめちゃくちゃ聴いてます。全部好きだし、なんで自分たちの歌なのにこんなに『カッコええわ』って思えるのかなぁって考えてみたら、『あ、私モーニング娘。が好きなんやわ」ってわかったんです。自分たちのことを好きと思えるアルバムが出来上がったのは、1枚目の頃と比べると大きな変化ですね。」
飯田「簡単に言うと曲が難しくなったなぁっていうことなんですけど、それは1年でそれを歌いこなせるようになったということでもある。アルバムは成長の通信簿だと思うんですよね。圭織は、評価してくれるのは学校だったら先生だけど、モーニング娘。の場合、いちばん真剣に評価しなきゃいけないのは自分たちだと思うんです。ホントはすごくいい評価をつけたいんだけど、『もうこれでいっかぁ』って満足しちゃったら困るんで、また次に向かうためにも、圭織はけっこう厳しめの評価をつけてます。」
−では、ファースト・アルバムが初めまして的なものだとしたら、今回のアルバムは?
中澤「『私たちこういうものです、よろしくお願いします』ってところから始まって、今度は2回目に会って『1回お会いしたことあるんですけどねぇ。覚えてらっしゃいます?』っていう感じ。知ってもらっていて当然っていうんじゃなく『覚えてもらってますか?1枚目と2枚目の違い、頑張って出してみたんですけど、どういうふうに感じます?』って聞いてるみたいな感じかな。」
−「ふるさと」や「パパに似ている彼」など、今までのモーニング娘。にはあまり感じとれなかった、家族を思わせる歌が加わってきたことについてはどう思いますか?
安倍「ずっと恋愛の曲ばっかり歌ってきたので、『ふるさと』を聴いた時は意外だなと思いました。今まではすごい背伸びして、歌のなかの女の子になりきってたけど、今回はホントに今の私にできる精いっぱいの表現で、ナチュラルに広い気持ちで歌うことができたからすごいよかったなと思います。それに、歌詞を見て初めて泣いたんですね。ある意味、今の自分にしかうたえない歌なんじゃないかと思います。」
保田「私もまさかこういう曲がくるとは思わなかったのですごくびっくりしたし、いちばん初めに思ったのは『生で両親に聴かせたい』っていうことでした。感謝の気持ちって恥ずかしくて素直に言えなかったりするけど、こういう気持ちをもっている人たちはいっぱいいると思うから、これを聴いてケンカしてる親と仲直りしてくれたり、母の日にでもプレゼントしてくれたらうれしいですね。」
石黒「家族のことってふだん口に出しては言わないけど、つねに心に思ってることだから、それを歌にできたっていうのはすごいよかったんじゃないかな。」
中澤「『ふるさと』は両親や自分の生まれ育った場所の歌なんですけど、私はなぜか人の顔が浮かんできます。『ふるさと』というタイトルなんだけど、その時に会いたい人とか帰りたい場所とか見たいものとか、対象になるものはなんでもいいんだと思うんですよ。」
−1年半の活動を集約したかのようなアルバムも完成し、9月には9人になって新たにスタートするということもふまえて、今後モーニング娘。はどんなふうになっていくと思いますか?
市井「私と矢口と圭ちゃんは、モーニング娘。がまだ5人だった時に応募して入ってきてるから、今後入ってくる子の気持ちもわかるし、迎える側の気持ちもわかる。だから、最初ふたり増えるって聞いた時はなんか複雑な心境でした。でも、娘たちは立ち止まらずに進んでいかなきゃいけないし、人数が増えることによって絶対に新しい面が見せていけると思うんですよ。また先へつながっていく第一歩として、すごくいいことだと思います。」
安倍「私も最初に聞いた時、全然イヤじゃなかったっていうのは嘘になる。でも5人から8人に増えるって聞いた時よりはびっくりしなかったんですよ。それは、今までモーニング娘。はいろんな試練を与えられてきたけど、すべてを乗り越えてプラスに変えてきてるからだと思うんです。今回のことも、モーニング娘。にとっていい結果につながるようにみんなが考えてくれたことだから、きっと大丈夫。でも、ふたりが入ってくるまでには7人も向上してなきゃいけないし、安倍なつみ的にもライバルがふたり増えるっていう意味ではうかうかしてられないんで、走り続けたいし、いつも新しいモーニング娘。でいたいなって思います。」
保田「私たち増えた身なんで(一同・笑)、まさかさらに増えると思わなかったんですけど、減るんじゃなくてよかったなと思って。これから入ってくるふたりも頑張って、7人も今まで以上に頑張っていけばきっといいグループになると思います。個人的にはただライバルがふたり増えるというだけで、自分の気持ちは今までと変わりなく、これからも努力し続けていこうかなという感じです。」
飯田「メンバーそれぞれやりたいことはいろいろあると思うんですけど、圭織個人としては、これからは今まで以上に真剣に音楽の道に進んでいきたいと思います。作詞とか作曲とかできるようになって、いつか自分で作った歌をうたってみたいなと思ってます。人数が増えることに関しては、いろいろたいへんなこともあると思うけど、3人が入ってきたことが結果的によかったように、またいいことがあるに違いないと期待してます。でも、めちゃくちゃかわいい子が入ってきたらイヤですね。自分の立場がなさそうで(一同爆笑)。」
矢口「発表を聞いた時はけっこう複雑な気分だったんですけど、やっぱりモーニング娘。だなって思いましたね。うちらは事件が起こってないとモーニング娘。らしくないんで(笑)。どんな強敵が入ってくるかわからないけど、新しいメンバーが入ったからといって一人ひとりの個性が薄くなるんじゃなくて、ふたりにも負けないようにもっともっと自分を出していって、それぞれが自分らしくいられればいいんじゃないかな。」
石黒「5人から8人になった時はなんか不安で3人のことをなかなか認められなかったんですよ。でも、それはとにかく自分に自信がなかったからだと思う。今は、何人増えても自分と同じ歌い方をする人はいないんだっていうことがわかったんで、増えることが怖くないし、ふたり入ってもいいほうに行くとしか思えない。あの時8人になっていなかったら今のモーニング娘。はないと思うから、これからも娘はどんどん前に進んでいけるんじゃないかなぁと思います。」
中澤「いずれにしても、私たちよりも入ってくるふたりのほうがつらいでしょう。3人が入って来た時はまだ3ヶ月の差だったけど、今度は1年半の時間差があるわけです。そこに入ってくるふたりの心境はとっても怖いと思うんですよ。でも大丈夫(一同・笑)。時間はかかっても、9人のモーニング娘。を絶対にみなさんに認めてもらうべく私たちは活動していくので、不安はありません。と、言いきっておきます。」
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